bilingualやtrilingualの日本語教育と論理的思考

北米で子育てをしている皆さん、
お子さんの日本語教育ってどうしていますか?
うちは、夫が台湾出身なので、普段は彼がマンダリン、
私は日本語で子どもと話しています。
私と夫の間では基本は日本語ですが、
ゲストや親戚が来るときだけ
彼らの言語に合わせて日本語、英語、中国語で話します。

子供が学校に上がる前は英語の心配をしていましたが、
上の子はGrade2になり、英語交じりで日本語を話すようになり、
(”ルー大柴”状態なわけですね)
今ではその訂正をさせるのに忙しいです。

台湾出身で日本で活躍されている金美齢さんは、
ご自身は中国語も話されますが、お子さんには日本語しか教えてこなかったそうです。
多言語を操っても、ひとつの言語さえまともに話せないようでは
思考の基軸がぶれる、ということを書かれていました。

わたしも、同様の考えを持っています。
ひとつの言語でしっかりとした論理的思考の基礎を培い、文化を身につけ、
本当に他の言語を学びたかったら、その後、自力で学習することは十分に可能だからです。

しかしながら、うちの場合ネイティブの英語を話さない親が
子に、アクセント交じりの下手な英語で話すよりは、
自分達の母国語で話すほうが自然なんですよね。
そこで、多言語を使う私達が一番気をつけていることは、
日本語なら日本語、中国語なら中国語で思考し、ほかの言語を混ぜて
話さない、ということです。

I want to bring おにぎり to school today.
→これはOK。むりやりrice ballとか言わなくても日本独自の文化のものはそのままの単語を使って大丈夫。

今日は学校で友達とsingingして、あと、足し算をlearnしたの。
→ブー、これはアウト。完全にルー大柴。

7歳でこうなっていますから、ここで訂正させないと、
もう英語が日本語に侵食していって、日本語の原型はとどまらなくなりますね。

前置きが長くなりましたが、
今日は私が実践している、海外在住組の日本語教育方法を書いてみたいと思います。
(すみません、えらそうに書いていますが、
自己流なので、これを参考にしてもどうしようもないかもしれないです。)

++++++++++++++++++++++++++++++++++

基本方針

1.[話/聞]
日本語を話す親は英語や多言語を交えず、必ず日本のみで話す。
子が他の言語まじりに話したら、言い直させる。

2.[読]
日本語の本を読み聞かせをし、ひらがな、カタカナ習得後は本人にも読ませる。

3.[書]
定期的、反復的に、ひらがな/カタカナ/漢字の練習をする。
国語の教科書や気に入った本から、気に入った部分をノートに書き写す。

4.〔思考〕
書→日記を書く。物語を書く。
話→本を読みおえた後、自分の言葉でもう一度要約をいう。内容について質問をし、それに答えさせる。

EPSON MFP image

基本は以上の4つのポイントから構成されると思います。
話す、聞く、読む、書く、は基本スキルですね。
私が一番重要と考えているのが、[思考]というところです。
実際のところ、話す、聞く、読む、書くの基本スキルがあっても、
それに伴う思考ができないのでは、意味がないのです。
いくらいっぱい難しい漢字をしっていたり、書けても、
(それは趣味としては楽しいと思いますが♡)
それ以上にはなりません。
その言語を使って考える、というところまでしないと、
言語を身につけたことにはならないのです。
よくいいますよね、
英語で夢をみるようになったら、あなたの英語はいいところまで来ている、と。
それは英語で思考できるようになったということだからです。

で、その思考をどうやって育てるか、ということなんですが、
今のところ、
話す、書くというアウトプットの基本スキルを育てながら
同時進行的にしていくことが効率的なのかな、と思っています。

具体的な論理思考の育て方

私がずっと子供と一緒にやってきたことは、
本を読みながら、問答をしていく、ということです。
年齢によって質問レベルを上げていきますが、
2、3才ぐらいなら、ぐりとぐらをよみながら、

このあと、この大きな卵で何するんだろうね?
ナンの卵なのかな?
この材料でどうやって作るんだろうね?
動物たちが集まってきたね、何匹いる?
みんなどんな気持ちかな?

みたいに、
だれ(何人)?いつ?どこで?何を(する)?どういうふうに?なんで?
この辺の基本質問をしていました。
ちいさい子供は突拍子もないことをいいますが、
変だな、と思ってもその辺はあまり否定せずに、さらに突っ込んで聞いていくと盛り上がりますよ。

5,6才くらいになってきたら、
本を読み終わった後、どんな本だった?と感想を内容を教えてもらっていました。
経験からいうと、子供は
好きだった、とか、良かった、
などの一言で終わるか、
いつまでもだらだらだらだらとストーリーを追って話をしたがります。

もし、一言で終わってしまったら、

どこがすきだった?どうして?
誰が何をした話だった?
など、具体的に聞いていきます。

もし、内容についていつまでも話すようなら、

まず一文で説明してもらいます。
それから、やはり、
だれ(何人)?いつ?どこで?何を(する)?どういうふうに?なんで?
に焦点をあてて聞いていきます。

親も疲れますが、一週間に一度はやると、
子供の論理的思考と話す訓練になって、とてもいいと思っています。
(時間がかかるので、親のほうも、時間と気持ちに余裕のあるときにします。)

あとは、書くほうですね。
日記や物語は4,5才から書いています。
最初は、自分で考えた物語を聞かせてくれたので、
「それ、絵本にしてみたら?」
と提案してみたところから始まりました。

(ちなみに、5歳になったときに描いた娘の最初の絵本は 
はちのつゆや というタイトルで、
お兄さんに先立たれたつゆやが、それでも一人で健気に生きていくという話です。泣けます)

最近、いいガイドになるのじゃないか、という本を見つけて、日本から送ってもらいました。
実家の両親には感謝感謝です。
PHPから出版されている 

こどものための論理トレーニングプリント

なんですが、これが非常に良いです。
私が目指している、論理的思考の訓練を手助けしてくれます。

例えば、最初のページでは、シンプルな問答の練習です。
あなたはケーキが好きですか?
という質問に対して、あなたのお子様はなんて答えるでしょうか?
うちの場合は、一言、
好き、
で終わります。はい、会話終了です。

それを、まずは一定の型に当てはめて答えさせる練習をします。
—————————————–
  わたしは、□□□が、好き(または嫌い)です。
  なぜかというと、□□□□だからです。
——————————————

娘は
  わたしはケーキが好きです。
  なぜかというと、ふわふわで甘くておいしいからです。

と答えました。理由を加えさせることで、
自分で考えます。

なぜ、わたしはケーキがすきなんだろう?どういうところが好きなんだろう?

更に望むならば、この、「ふわふわで甘くておいしい」と自分の思いを
サポートするためのもう一文を加えると、より明確に、ケーキが好きなことが伝わります。

  わたしはケーキが好きです。
  なぜかというと、ふわふわで甘くておいしいからです。
  生クリームのたくさんあるロールケーキは
  とくにやわらかくて大好きです。

どうですか?こんな感じで、子と対話をしながら
考えさせる、というのは実は普段から実践できますよね。

このような練習は、日本の学校にいっていれば必ずやることなのだと思いますが、
私達のように海外で、しかも日本語補習校に通っていないこどもにとっては
非常によい練習になるとおもいます。

次のページでは、3つの単語が与えられ、
それらを使って一文を作る、物語をつくるという練習です。

三匹のこぶたのものがたりですが、
娘が意外と苦戦していましたね。
一文にまとめる力、が必要になってくるので、
どのようにまとめたらいいか、一生懸命考えていました。

この本では、他にも
物事の説明のしかた、描写の仕方、絵の分析、視点を変えた思考の練習
などのトレーニングができます。
この本を使って思ったのは、
やはり、一番大事なのは
普段の対話で、子に考える癖をつけさせるということなのかな、と思いました。

わたしは、日本語が母国語ですが、縁があって、
常日頃から英語と中国語に触れています。
面白いのは、
英語では英語らしい
日本語では日本語らしい
中国語では中国語らしい
論理の組み立て方っていうのがあるんです。
それは、それぞれの言語で思考しないと、出てこないんですね~。
子らはせっかく素晴らしい言語環境があるのだから、
それを十分利用し、
さらに親が子にできることは、今のうちに頑張ってしていこうと思っています。

ながくなりました。読んでくださってありがとうございます。

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