座っておしっこは小さな敗北かそれとも

この間、東京暇人っていう番組を見たんです。

池松壮亮がゲストで出ていたからなんですけど(照)。
いやはや、池松壮亮はとても良かったんですが、
実は、この番組のインタビュアである天野君の言葉が、
いちばん、わたしの中に残りました。

「今、座っておしっこしてる」

なんでしょ?と思うでしょう?
(すみません、レシピのブログなのに、こんなタイトルで)

それはこんな会話からなんです。

天野君が池松君に、
どんなタイプの女性が好きか、という話をふったときの話です。

彼は、世話焼きの女性がよくて、
自分では家のことを何もやるつもりない、と答えたんですね。

そこで天野君が

  「俺もねそんな意思で結婚したんだけど、、、

  今、座っておしっこしてる。

  チャンネルも、、かえていい?って。。。

  最初はザッピングとかしてたのよ?」

  池松「いいですねそういう小さな敗北すごく好きです。」

  天野「いや、小さな敗北の連続だよ。」

↑↑↑
わたしはこれを聞いて、
天野くんを心から祝福したい気持ちになりました。

奥さん、トイレ汚れるのイヤなんだね、ぷぷぷぷ。

でも、結婚うまくいってるんだね、天野君っ



で、その数日後に、この記事をよみました。

——————————
食器を流しに置きっぱなしにしたら、妻が出て行った。
——————————

彼がね、もし、
座っておしっこ する天野君みたいだったら
奥様は出て行かなかったのかな、と思うんです。笑

うちは、お恥ずかしながら、私が食器を置きっぱなしにする方です。
主人はきちんとした性格で、わたしは完全にぐーたらです。

結婚する前から、気づいていたんですけどね。

私と彼の性格の違いも。
彼は、小言が多いことも。

まどか、はさみだしっぱなし。
リモコン、どこ?
つめきり、どこ?
飲んだらすぐコップを洗う!
なんで車の鍵がトイレにあるの?
とか
言われるたびに、わたしも思うわけです。

あ、またか、、、またダメな私を指摘されたか。。
でも、そんなに大そうなことじゃなし、
がみがみ言わなくてもいいじゃない?

で、わたしの忘れんぼが続くと、もう主人はぶち切れ寸前になるわけです。
わたしには、全く理解できませんが、
いらいらマックスで、
彼、もとから中川家の礼二みたいな肌の質感なんですけど、
怒りが増すと、肌が上気してテカッテカになりますね。

私はそういうことでいらだつことはありませんが、
家の雰囲気が悪くなり、
わたしもそれに影響されて、主人にいらだちます。

これがわたしの性質なんだから、仕方ないじゃないか、
あなたこそ、なぜそんなに短気なんですか?
そして、なぜそんなにテカテカなんですか、と。

すると彼はこう返すんです。

自分が短気なのは、そういう性質なんだ。

あーあ、それをいったらおしまいだよ。
どっちも開き直っちゃった。。。
また同じことの繰り返し。

で、結婚してかれこれ10年以上経ちますが、
いまでもたまにそんな喧嘩をしたりします。

でも、今はほんの少し変わってきました。
わたし自身の忘れんぼでレイジーな性質は変わっていませんが、
なるべくなるべく、物を使い終わったらもとの位置に戻そうという意識が働くようになりました。
50%くらいの確率で忘れますが。

彼は、使いっぱなしのはさみやリモコンを見ても、がみがみ言わなくなりました。
50%くらいの確率で、見てみぬふりをしてくれ、
あとは「まどか、これ、出てるよ」、とわたしに片付けさせます。
(それか、深いため息をつきます。)

10年かかって、こんな感じです。
わたしはつい最近も、車の鍵をどこぞやにおきっぱなしにしていましたが、
あの短気な彼が、

「まぁ、無かったらしょうがないよ、家の中にあるんだからゆっくり探しな。」

と言ってくれました。
このときの彼は確実に中川家じゃなくて、弥勒菩薩かなにかの境地にいましたね。
テッカテカのオヤジ肌じゃなくて、愛のある艶があるっていうか。
まぁ、でも基本は怒りんぼですけどね。

つまり、
別に座っておしっことか、食器を洗うということが重要なんじゃなくて、
お互いがお互いのことを
思いやって努力するのかしないか、ということ、が問題なんでしょうね。
この男性の場合、記事で彼が書いているように、

——————
流し台にグラスを置くことで、夫と別れたいとは思わない。
離婚したいと思うのは、夫が自分を尊敬しなかったり、感謝しなかったりしていると感じるからだ。
——————

流しにグラスをおくこと、わたしも別にどうってことだとは思いません。
(おまえが言うな、っていうツッコミがはいってもいたしかたありません。)
でも、自分の価値基準に相手をあてはめようとすることは
どちらにとっても不幸を招くことになるんじゃないかな、と思います。

自分はこうだから、それを受け入れてくれる人じゃないとダメ、
とか、
自分がこうすべきと思うから、それに従え、
じゃなくて、
彼や彼女にあわせて、自分が小さな努力をすることを
厭わないっていうことが
しかもそれがどちらか片方じゃなくて、
二人でやっていくことが
長く付き合っていく上で必要なことなのかな、と思います。

食器をすぐにあらうのが正しくて、
流しにおいておくのは間違っているとか、
座っておしっこをすることが正くて、
立ってやるのは間違っている、とか
そういうことって言えないじゃないですか?
どちらかが正しい、っていうのはなくて、
ふたりにとっていい方法を二人で模索していくしかないんですよね。

そういうわけで、
池松くん、その小さな敗北こそが愛の証なんですよ♡

そしてわたしは
車の鍵をトイレに置きっぱなしにしないように頑張ろう。。。
http://lifestyle.blogmura.com/rpc/trackback/69727/327xr7swxgrt