レモン、ありますね

夫がいった。

まどかは
この食べ物にはこのたれをつけよ、とか
このソースで食べて、とか言うけど
そういうのはいらない、と。

自分がかけたかったらかけるし、かけたくなかったらかけない、
子供にもそういうことを無理強いしてほしくない、

ということだ。

 

無理強いしているつもりはなかったのだけれど、
経験上これが合う、というのがあって、
これにはこのソースをつけてね、
なんて声をかけていた。

そういうのは煩かったらしい。

 

確かに、、、
私が小さい頃、
うどんは薬味を何もいれずにそのまま食べたいのに
親がしきりに葱やしょうがを勧めてきて、
しまいには勝手にわたしのどんぶりに
葱やしょうががのせられたりしたときには、
ああ、そこはわたしの不可侵領域なのに、、、と思ったりした。

それが文化であるといえば、そうなのだと思うし、
薬味とうどんの織り成す味のハーモニーを私にも味わせてあげたい、とか
小さい頃から色々な味に慣れておくほうがよいという親心かもしれない。

しかしながら、私にはそれがとても嫌だった。

今になって思えば、
もう少し自己主張をしてもよかったのかもしれない、と思う。
性格にもよるのだろうが、
わたしは、ああ、葱としょうがはいいよ、いらない、といいながら、
それを入れてくることに対して、
さほど大きな抵抗はしなかったし、
不快感もそんなに大きく表さなかった。
でも、ほんとうは、ほんとうに、そのままで食べたかった。

夫の言葉でそんなことを思い出した。

               
—————–

ときに、うちでは子供達に弟子規のおしえを
きかせたり、外でもそういうお話を聞いたりすることがある。
その中では、
親孝行は大事、親のいうことをききなさい、としきりに説いている。

そう、それは大事。
でも一方でわたしは
親の言うことを必ずしも聞かなくてもいいと思ってる。

 

あるとき娘がわたしにいったことがひっかかっている。

「娘ちゃん、これ、どうする?ソースかける?」

「え、ママはどうしてほしい?ママがかけて欲しいのなら、かけるよ。」

なんと。そういう方向にいってしまったか・・・・・・。
私を喜ばせたいあまり、”いいこ”になりたいために、
自分の主張を殺していたのか、それともなくなってしまったのか。
ちなみに息子の場合は、かけたいときはかける、といい、
かけたくないときは理由をいって、かけないと断る。

わたしは、子らには自分の考えを言える人間になって欲しい。
親の言っていることに疑問を感じたり、
いやだと思ったら、それを口に出して言える子に。
(もちろん、自分の言いたい事を言うときには
他人の意見を聞くということが大前提なわけだけれど)

わたしは子をコントロールしたいわけではない。
単純にそうした方がいいと自分が思うから言うだけ。
安全や命に関わることは必ず言うことを聞いてもらわないと困るが、
それ以外の場合は子にだってそうしない権利がある。

親、年配者、先輩、権力者がいつも正しいわけじゃない。
そういう人たちのいうことを鵜呑みにして
自分で考えずに
迎合していたら、
どんな人間になるか。

テレビや、SNSに流れてくる言葉を疑いもせずにそのまま信じ、
乗せられている人間がなんと多いことか。

わたしの義理の伯父が、
私のいうことに反論する4才の息子を見て、
「こういう子は世界を変えるためにうまれてきた」
といっていたが、そうかもしれない。
(夫もそういう性格です)

既成概念を打ち破って新しい世界を作れるのはこういう子なのかも。
自分で考え、吟味し、何に従い、
抗う必要があると判断をすればそうする。

わたしは穏やかな空気を壊したくないために
我慢をするようなところがある。
少しの間我慢してそれをやりすごすけど
状況は何も変わらないのだ。
娘も似たようなところがある。

親に何かを言われたら、考えてほしい。
理不尽だと思ったら、
立ち上がれ、打ち破れ。
束縛されて育ったから自由になれないだ等と
自分で自分を縛り付けてはいけないよ。

私は親として言いたいことはこれからも言わせてもらおうと思う。
でも、それをどうするかは自分しだいなのよん。

この世の中はすべて善ではない。
自分で考え、抗い、経験し、反省し、
強くなれ、娘よ。

そして私も。



————————–

さてソースの話に戻ろうかな。

じゃあ、このソースだけど、
かけたら美味しいトレビアーンになると分かっているこのソース、
私はいったいどのように家族にアプローチしたらいいのか、

という問題。
押し付けがましくなく、
さりげなく。

こんなのはどうかな?

「これ、あるよ。」

 

存在をしめす、それだけでいいのかもしれない。
カルテットでいってた、

「れもん、ありますね。」

これだ。
ここにいるよーと示してあげるだけでいい。
レモンを全部のから揚げにまわしかけない。

そして、いただくほうは、

「ありますね」

と存在を確認すればいい。
あとはお好きなように。

どうかしら??

カルテット、みていないからよくわからない方へ
このドラマはわたしが観たここ数年のドラマの中では一番好きなドラマです。
いますぐみましょう。
(レモン、ありますねはどこへやら。完全に押し付けになりましたね。えへへ)

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