ちょっとだけ

以前の記事我慢の子で、
病気の息子を優先して看病し、娘を後回しにせざるをえなかった話を書きましたが、
今晩のよみきかせで、これを読んで、と娘がもってきたのはこの本でした。

『ちょっとだけ』 瀧村 有子/鈴木 永子

弟ができてお姉さんになったなっちゃんが、
忙しいお母さんに迷惑をかけないように
色々なことをちょっとだけ我慢をしながら
ひとりでできるように頑張って
”おねえさん”になろうとしていくお話です。

最近よんでいなかったので、
しかも前回の件もあり、色々考えながら読みました。

そして実はこの読み聞かせの後に、こんなことがあったのです。
いつも夜は子供たち二人と私とで川の字になって寝ているんですね。
都合上、私が端っこ、その隣に息子、娘、という並びになっているんですけれど、
昨晩みたいに息子が父親の部屋で一緒に寝たりするときは、
ここぞとばかりに娘がすりよってきて、
ぺたっと私にくっついて眠ります。

今日、弟がまた戻ってきたので、いつもの並びで寝ようとすると
娘がこんなことを告白してきました。

「いつも弟君が寝る前にママに抱きついてママがいいこいいこってしているときに、
ベッドのあっち側で、わたしは泣いているんだよ。
わたしは悪い子だから、わたしのことはキライなの。」

ショックでした。
彼女の我慢はちょっとだけどころではなくて、
とっくに限界を超えていたのでした。

弟は甘えんぼ、甘える隙を察知するのが上手で、
すぐに誰にでもごろにゃんと腹をみせます。
幼稚園の年長さんたちや小学生のおねえさんおねえさんたちを
道で見かければすぐに挨拶をしにいって、ハグをします。
2,3人の年上の女の子に囲まれて可愛い~と頭を撫でられたり抱っこされたりしている光景もしょっちゅう。
娘もそんな弟をものすごく可愛がっています。

でもその娘はというと、人との距離のとり方が微妙で、
気が合ったり仲良くなるとそれなりに好きというアピールをしますが、
どちらかというと受け身のタイプです。
甘えるのもあまり上手ではないし、以前書いたように、
状況や空気を読んで、自分が我慢すれば物事がうまく進むと判断すれば、
自分の気持ちを表現することなく、我慢をしてやりすごします。
私が腕枕をして抱き寄せても、途中ではっとして、
あ、ママの腕が痛くなっちゃうから、
と自分から頭を下ろすような子です。

前回、私は彼女が不公平だと思わないのかな、と心配していましたが、
そんな単純なものではありませんでした。
不公平感というのは、たいてい周囲への不満ですが、
彼女の不満は自分へ向かってしまっていました。

——————
自分が出来が悪いから、ママが自分のことを好きじゃないんだ。
——————

確かに、最近、自己否定するような言葉が多くなってきたと感じていました。

(何かの絵を描きながら)「これ、あまり上手じゃない?」

(自分の描いた絵を見せながら)「わたしの描いた絵、好きじゃない?」

(私の反応をみて)「もっと喜んでくれると思った。」

わたしは娘への態度を見直さないといけません。
まだまだ7才、甘えたい年頃なのに、
逆に私が彼女に甘えていました。
彼女ができていることを当たり前に受け取っていたのかもしれません。

『ちょっとだけ』のなっちゃんはお母さんに”ちょっとだけ”じゃなくて
たくさんたくさん抱きしめてもらいました。
わたしも出来る限りの愛情表現はしているつもりでしたが、
でも、娘の我慢には、そんなんじゃ全然足りなかった。

”できてあたりまえ”と思っていたことは、
彼女が我慢したり、努力したからできたのであって、
決して当たり前のことではない、ということ。
そういうことを、私はもっと認識しなければいけないと思いました。

娘が自分で髪の毛をとかして髪の毛をしばるのも、
できて当たり前なんかじゃない。
うまく梳かせないから髪の毛が絡まってしまっているのをみて
「もう、ちゃんと梳かさないとぐちゃぐちゃだよ」、
なんて
よくそんな事がいえたものだと
自分でもあきれてきます。

自分で梳かしてえらいね、髪の毛もよく結べたね、
なんでそうやって褒めることができないんだろう。

お水をのみなさい、じゃないくて、
お水を飲んだら、ちゃんとのめたね、気持ちいいね。

朝学校にいく準備がはやめにできたときには、
頑張ってはやく準備できたんだね。

小さい頃は何をしても褒められた。
うんこやおしっこをしてはえらいといわれ、
何かよくわからない丸い絵をかいても、すごい。

生きて当たり前のことをしているだけで褒められたのに。
いつのまにかこんなにもハードルをあげてしまったのは、
わたし。
彼女自身は変わらず頑張っているのにね。

もっと娘と向き合って、
生きているだけでえらいよ、って
いっぱいいっぱい抱きしめたい。

『ちょっとだけ』の本の力を借りて、娘も抑えていた気持ちを表してくれました。
私も、気づきと反省のいい機会を与えられました。
もしまだ読んだことのない方がいらしたら、手にとってみたらいかがでしょう。
これを読みながら子どもの本当の気持ちを聞いてみるといいかもしれません。

子育てのこと、書いていくときりがないですね。今回は反省をこめて。
長くなりました。お付き合いくださりありがとうございました。

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